サクラ
ゆっちゅは、ひとりで歩けるようになってからも、抱っこしてほしいときは両腕をさしあげて「こっち」とか「まっまぁ」といいます。
お気に入りの場所にくると身をよじって降りる意思を示します。
草木が茂る場所、砂や小石があるところ、水の流れているところ、風ぐるまのある家の前、勾配のある道など、に来ると降りて歩きます。
今まで自分の足で歩いたことのない道を歩くときは、歩いてきた道を行きつ戻りつしながら歩みを進めていきます。
気に入ると、ずんずんと先へ進んでいきます。
次の日に同じ場所に連れて行くと、何やらゆっちゅ語で語ってから、こっちを振り向いて目を細めて笑顔をつくります。
気に入ったんだな、とジィは直観します。
また、こんなこともありました。
さくらの花が咲いていたころ、幾度となく通って、花びらに触れたり、蜜を吸いにやってくる鳥たちを見たり、風に吹かれて花びらが舞い散るのを見ていた木の下を通ると、今では葉だけが繁っているにもかかわらず、ゆっちゅは指をさして声を発するので、そのたびにジィは「さくら」と応えます。
夜、ゆっちゅとママを家に送ってその下を通るときも必ず、ゆびを指して声を発します。「サクラ」と言っているように聞こえます。
ママとジィも、それに応えて「さくら」と声にします。
昨日のさんぽのとき、その木の桜の実を取って触らせてみました。
ゆっちゅは慎重に手を伸ばして実に触れました。
ひとり歩きするようになってからは、ゆっちゅの言語活動が以前にもまして活発になってきているように感じます。