意識と言葉

重さ約1350グラム、身体全体の約2%程度の重量の脳が消費するエネルギーは、1日に身体全体で消費するエネルギーの約20%を占めるという。四六時中働いていれば、それも当然かもしれない。

人間の脳は、起きている時と眠っている時と、消費するエネルギーは同じらしい。

ということは、眠っている時も起きている時と同程度に活動しているということになる。

 

起きているときのゆっちゅと、眠っているときのゆっちゅとの大きく異なる点は、意識の有無である。

起きているときのゆっちゅは、盛んに同じことを繰り返す。

まるで同じことを繰り返すことが意識を保つことことでもあるかのように。

言葉にも似たようなところがある。

ゆっちゅは、電車を見ると「ぇしゃ」と言うし、電車の走る音だけ聞いても「ぇしゃ」と言う。

名前が言えないときは、同じものを確認するために、それをゆび指し「これェ」と言って、名前を求める、ジィが「さくら」「かざぐるま」と言うと、ゆっちゅは手をたたいたり、ジィの肩をたたいたりする。あるいは、自分で言おうとゆっちゅ語をしゃべる。

 

起きて意識があるときのゆっちゅは、絶え間なく変化する、「万物流転」「諸行無常」の自然から、言葉という「同じもの」を削りだすのみでもって、「同じである」という原則に基づく世界を彫りだすことに懸命になっている