石の神様
このところ、ゆっちゅの興味は石にある。
自分の身体ぐらいある、地の神を祀った石の神様「堅牢地神」や道祖神が、さんぽの道沿いにいくつもある。
ゆっちゅは、神社で手をたたいておじぎをすることを知っているので、ジィがこれは神様だよと教えると、拍手とおじぎをするしぐさをする。
わかっているな、とジィは感心する。
ゆっちゅは、ひとり歩きができるようになる前、わきの下を支えてもらって立ったりしゃがんだりするのが好きで、ジィはよくせがまれてやってやった。
橋の下で身体全体に風を浴びながら、大きな石の上で、それをやるのがゆっちゅは好きで、それが始まりだったかもしれない。
ゆっちゅは川での石投げも好きだ。水が音をたてはね返って波紋を描く様を見ては、喜々としてなんども投げ入れる。
これも、ひとり歩きする前からジィの膝に座ってやっていた。
近ごろブロック塀や自然石を積み上げた土台を見ると、それに触れたりゆび指したりして「イッシー」か「ムッシー」か、微妙なゆっちゅ語をしゃべる。
今日は、電柱を触らせて「でんちゅう」「でんしんばしら」だよと教えた。
次のさんぽのとき、ゆっちゅがどんな反応を示すか、楽しみだ。