瞠目して待つべし
三日ぶりにゆっちゅと会う。
ぐるぐる回り、ジャンプ、片足立ち、歌を歌うことなどの行動が、はっきり見られるようになっていた。
ぐるぐる回って、目が回るのを楽しんでいるのだ。それまでは、頭を左右に振る、反り返って背後を見る、股のぞきするなどしていた。
「あぶないから、やめなっ!」って、注意すると、「へへへ」ってニコニコ笑いながらやる。
明らかに確信犯の顔だ。
ジャンプは、喜びの感情を表現しているようだ。
歩行の速度がスローになると同時に歩幅を大きく踏み出す際に、片足に体重を乗せることができるようになった。
いっしょにやれと誘うように、ゆっちゅが足踏みするので同じように足踏みすると、大喜びする。
一連の行動は、何か踊りの始まりを思わせる。
河川敷の刈りそろえた草原で寝ころんだり、四つん這いでハイハイしたりするなど、何か昔をなつかしんで遊んでいるような行動もする。
身体を自由に動かせるようになったことがうれしいからなのかな。
また、絵を描きたがる。力強い実線を描くようになった。
青色クレヨンがつくりだす軌跡が、まさにじぶんの手が作りだしていることを実感しているようで楽しそうだ。ゆっちゅは青色クレヨンが好きだ。
何やら歌らしきものをうたっているなぁと、初めて気がついた。歌っているときは、自分の世界にひたっているようで楽しそうだ。
わずかな間にゆっちゅが成長変化しているのが感じられた。準備はすでになされていたのに、ジィが気づかなかっただけなのだろう。
ゆっちゅの成長は、遅いようで実に速い。
小脳での「シナプスの刈り込み」の方も、急ピッチで進んでいる模様である。