畑と田んぼ

さんぽの途上で、ゆっちゅが興味を示すものに畑と田んぼがある。

畑の方は、二ヶ所あって、ひとつは生垣と畑の間にコンクリートの、人一人が通れるほどの細い道がある。畑仕事をしているおじいさんを時々見かける。

もうひとつは、戸建ての核家族の家が立ち並ぶ閑静な住宅地のなかに、一軒分だけ売れ残ったようなところにある、草一本、石ころ一つ見当たらない手入れが行き届いた畑だ。

畑がどうしてゆっちゅを惹きつけるのか、ジィは見当がつかないが、取り敢えず作物の名前と、それは食べるためのものであることを教えたいと思う。

 

一方、田んぼの方も二ヶ所ある。ひとつは、ゆっちゅの家の近くにあるもので、さんぽの最後にオタマジャクシを観察しているところだ。

そこでゆっちゅは、手を突っ込んで小さなオタマジャクシが一斉に逃げ回るのを見て喜んでいる。

一度、ジィが小さなオタマジャクシを手で掬って見せてから、ゆっちゅはジィの手をつかんで、取って見せろと、必ず催促する。

しかし、そうそういつもうまく行くわけではない。上手く行ってもいかなくても、結局はゆっちゅが水をかき回し泥で濁ってしまう。そしてジィはゆっちゅを抱き上げて、家路を急ぐ。

もう一ヶ所は、ジィの家からスタートするさんぽコースにある。川沿いの土手道から5mほど低い所に、3反ほどの広さがある。

川を越えるように直交して土手の高さで電車道が、一辺を画しているので、そこは窪地になっている。

50mほど先を電車が走るのを見上げる恰好になるので、その先1kmほどのところにある標高500mほどの山が背景となって、特に真っ白な電車が走ってくる時などは目を奪われる。

一昨日、久しぶりにゆっちゅと行った。ここは田植えが早かったのか、苗が20cmほどになっていた。

オタマジャクシもその分大きかったが、まだ、足は出てなかった。

ゆっちゅが前のめりになって、いまにも頭から突っ込みそうにのぞき込んでいた。

ジィが捕まえたオタマジャクシに触って満足したようで、おとなしくそこから離れた。

足が生えてくる前に、もっと触らせておきたいと思う。

カエルに変貌するまでの成長経過を、ゆっちゅに見せたいのだ。