皮膚は健康のバロメーター

病は気から、というが、病気とは、気が病むと書き、身体の機能面の不全の現れである。身体は自然であり、自然の摂理に従って勝手にやっていけばいいはずだが、人には意識というものが備わってしまった。

身体のやることに、意識がとやかく言う権利はもともとないはずだが、身体の異常は意識に大きな影響を及ぼし、社会生活に支障をきたすことになるから、とかく意識は身体に口を挟む。

「健全なる精神は健全なる身体に宿る」ではないが、意識がより良く活動するうえで、身体が健康であることは欠くことのできない前提と言えよう。

 

さんぽを始めたのは2ヶ月ほど前からで、ゆっちゅが丈夫な骨の持ち主になれるようにと、ほぼ毎日午前中1時間ほど歩いてきた。

さて、ゆっちゅの皮膚であるが、前腕と襟足は焦げパンのようにこんがり焼けている。

顔は、程よく焼けている。

このところ、梅雨模様が続き、直射日光を浴びることができないので、ゆっちゅの小麦色の肌の輝きが見れないのが残念だ。

 

日光を浴びると、ビタミンDが体内でつくられカルシウムの吸収を助け、骨の健康には欠かせないということはよく知られているが、ビタミンDが体内の脂質量を抑制するという研究発表もある。

ゆっちゅの現在の身長は84.2cm、体重は10.5kgである。

身長の割に体重が少ないと、健診で言われたというが、それはきっとビタミンDのためで、心配はいらないだろう。

 

一個の受精卵から一人のヒトが誕生するまでの発生過程の細胞分裂の初期の段階で、外胚葉と呼ばれる細胞群は、さらに発生が進むと、脳、神経冠、皮膚に分化するらしい。

神経冠は、末梢の脊髄神経節や自律神経節、神経細胞の軸索突起を取り巻くシュワン細胞などに分化するという。

外胚葉は一枚の膜と考えてよく、その膜の中心が中枢神経系に、その周りを取り巻く部分が神経冠に、さらにその外側が皮膚に分化するのだそうだ。

内胚葉が肝臓・肺など消化器系に、中胚葉が骨格・筋肉・心臓・腎臓など循環器系にそれぞれ分化し行くのと比べてみると、皮膚は消化器系や循環器系とは従兄弟・従姉妹のような関係だが、脳とは兄弟姉妹のように近しい間柄にあると言える。

脳と皮膚との関係の深さは、多少ともうつやストレス、不安な精神状態などに陥ったことがある人には体験上理解できるであろう。

 

外部環境と接して自らの身体を保護する役目を担う皮膚にとって、日光と水と風は、自然が発信する重要なシグナルである。日光と水と風をバランスよく浴びることが、皮膚の感受性を豊かにし身体の健康保持のために、いかに大切なことかを、都会暮らしは人に忘れさせる。

 

ゆっちゅにはできるだけ、自然の陽の光と水と風を浴びさせてやりたいと、ジィは思う。