舟を漕ぐ
ゆっちゅのパパが休みを取ったので、ジィとのさんぽは3日ぶりとなる。
今日は、先月から始めた「英語で遊ぼう」という幼児対象のレッスンに行く日なので、ゆっちゅは朝食を済ませて、準備万端で待っていた。
アパートの門を出て坂を下り、家のベランダから見下ろせる駐車場でしばらく遊んだ。
ベランダで洗濯を干すママに手を振ったり、車止めの石に腰をかけたり、その上に立ったりした。
いつもは、先を急ぐところだが、通り道の向こうから、迎えの幼稚園バスに乗る子どもを連れた、ママの知り合いのお母さんが現れた。
ベランダのママと二言三言、言葉をかわして、慌ただしく坂道を登っていった。
それを見送ったゆっちゅは駐車場に戻り、いつものように電柱や電線、エアコンの室外機、植え込みの葉っぱ、盛り土した上に打ったコンクリートの壁、この上にゆっちゅの家のベランダがある、駐車場を取り囲むように建っている3棟のアパートの窓窓をチェックしてから先へと向かった。
坂道を下り切ったところで立ち止まり、抱っこをねだるが、すぐに降りて、3日前に防災訓練で人が大勢集まっていた場所へ向かって歩き出した。
途中、新築の家の建築現場の近くを通った時、鉄パイプで足場が組まれているのが見えたので、ゆっちゅに「お家が立つよ」って声をかけたら、興味を示しそこへ向かった。
そこでまたしばらく、ジィに取らせたつゆ草の花やネコジャラシ、黄色小さな花をつけた草を手にとって遊ぶ。
建築現場に立てかけられていた、作業日程や作業中の注意事項が記された看板に興味を示し、特に日程の期日を示す「/」斜線を、何回か手でなぞっていた。
そこからまた、元来た道にもどり、防災訓練で大勢の人が集まった空き地へ向かった。
途中、自転車を押したおばあさんを見て「ジィジ」と言ったので、「自転車だね」とすかさずジィ。
犬の散歩を見て「ワンワン」と言ったり、柿の木をゆび指したり、ナスや里芋の葉を指して名前を聞いたり、盛り土したコンクリートに開けた水抜き穴から流れ出る水をゆび指して確認したりして、空き地へと歩いて坂を降りていった。
空き地まで来ると、砂利混じりの土の上にしゃがんだり座り込んだり、石を摘んだり砂を掴んでコンクリートの道に撒いたり投げたりして、しばらく居座った。
しばし遊んで、来た道を戻り始めたゆっちゅの後をついて行くと、石段に気づき一人で下り始めた。
手すりにつかまったり、手離しで下りて行くと、いつもの畑があり、例によって作物のチェックをし、さらに先へと歩き出した。
しかし「英語で遊ぼう」に行く時間が迫っているので、強引に抱っこして「英語で遊ぼうに行く時間だから、家に戻るよ」と耳元でつぶやいて家の方角に歩き出しても、ジィの話を聞き分けたのか、おとなしく抱っこされたままでいた。
そして、家に戻り、ママと出かけた。
7時半ころに起きてから、ジィと1時間さんぽして、「英語で遊ぼう」に行き、その帰りに支援センターで3時過ぎまで遊んでから、ジィの家に帰ってきて5時に風呂に入り夕ご飯を食べているときに、ようやっと眠気が襲ってきて、食べかけの茹でたトウモロコシを大事そうに手に持って舟を漕ぎ始めた可愛い船頭さんを、叔母さんが見事にビデオ撮影に成功した。
今日も1日絶好調、ゆっちゅはよく遊びました。