走る

昨日のさんぽの話である。

朝のさんぽの後、ご飯を食べて、支援センターへ行って3時ごろまでいて、そのあとジィのところにやってきて、昼ご飯をペロリと平らげても、お昼寝する気配もないので、5時ごろから夕方のさんぽに連れ出した。

初めから元気いっぱいで、どんどん自分で歩いて行く。

川に石を投げ入れる遊びでは、いつもは川岸に座らせてやらせるのだが、側に手ごろな大きさの石が枯渇してしまったので、岸から少し離れた場所に移動した。

ゆっちゅは、自分で石を拾って投げ、2mほど先の水面に放り込んだ。しかも、自分の握りこぶし大の石を平然と投げ込んで、キャーキャー声を上げ、手を叩いて飛び上がらんばかりに跳ねて、遊びに興じていた。

わずかな期間に上達した投てき力に、驚くとともに感動を覚えた。

堤を上がるのも、コンクリートの斜面をジィの指を手綱の代わりに引いて勢いよく駆け上がる。

さらに3mほどの高さにある土手に上がるコンクリートの斜面も難なく駆け上がった。

そして、ゆっちゅは目的とする鉄橋の下へと向かった。

頭上を、金属の摩擦音をたてながら行き来する電車をじっと見上げて、通り過ぎると、鉄橋と橋との違いを理解しようとしているかのように、ゆびを指しながら、何かしゃべっている。

ジィが何度も帰ろうと誘っても、鉄橋の下を行ったり来たりを繰り返して、橋梁にうってある番号を見つけては「イチニサンシゴ」などとやったりして容易に立ち去ろうとはしない。

電車が来ない間、橋の上を行き交うクルマで注意を引いて、どうにかこうにか一つ手前の橋の下まで、ゆっちゅをおびき寄せたが、まだ遊び足りないと見えて、座り込んで砂や石で遊び動こうとしない。

家の近くにある次の橋までは、まだ150メートルほどある。

ジィは一計を案じ、ここはひとつゆっちゅを走らせてみようと考えた。

河川敷の短く刈り込まれた草っ原なら、たとえ転んでも大事には至らないだろう。

「ゆっちゅ、走るぞ」と言って、ゆっちゅの横に並んで、バタバタと足踏みを開始した。

これは、ゆっちゅがジィに、一緒に走ろうと催促するときにする仕草なのだ。

案の定、ゆっちゅは誘いに乗ってきた。

ゆっちゅの走りは、これが結構早いのだ。

小さな足を、目一杯ストライドを伸ばし、ピッチも早い。

3〜4回、間に休みが入ったが、走り切った。

気を良くしたようで、家まで坂を駆け下りたり上ったりして元気よく自分の足で歩き通した。

帰ってから風呂に入り、夕ご飯を食べながら途中で、ゆっちゅは眠ったしまった。

この日は、10時間以上起きていたことになる。

次の日の朝、6時半ごろまでゆっちゅは寝続けたようである。

 

いつものように、8時半ごろ、朝のさんぽをするためゆっちゅを訪ねると、準備万端で待ち構えていた。

1時間ほど、いつものコースを、ゆっちゅはほぼ歩いた。