元気印
土曜日の話である。
隣町の阿波踊り祭に、ゆっちゅを連れて行った。
両足ピョンピョン跳びが炸裂した。
最初は、人混みと太鼓や鉦が織りなす喧騒に、小さくなっていた。
抱っこして、踊り手の振りやお囃子に合わせて、ゆっちゅの身体を揺すってやっていると、次第に馴染んできて、手拍子のまねをするようになった。
地に下ろすと、手を叩きながら両足でピョンピョン跳びはね、踊りの輪に吸い寄せられるように近づいて行く。
そのたびに、ジィは引き戻す。
一年前のことを思うと、実に伸び伸びと育っていると感慨深い。
一部には、伸び伸びしすぎ、すべてジィが甘やかすからだという批判もないこともないが、子どもは元気が一番だ。
日曜日の話である。
阿波踊りに刺激を受けたのか、1日経っても興奮覚めやらぬ体で体力満タン、昼寝をする気配がないので、昼のさんぽに連れ出した。
ところが、中古車のジィの方がガタついてしまった。
石投げのあと、堤の上に登る時、コンクリートの坂を足取りも達者に駆け上がるゆっちゅが、ジィの手を振りほどいて、ひとりで上に上がろうとした。
大丈夫だろうと、ジィも思った瞬間、コンクリートの隙間に生えた草の葉の下に砂がたまっていて、ゆっちゅが滑りかけたので、ジィはゆっちゅを抱きかかえようと、一歩踏み出したところにこぼれ落ちてきた砂に足を取られ、身体が宙に浮いてしまった。
その後、どうしたのかよく覚えていない。
しかし、ゆっちゅは登り切っており、上で座り込んで泣き出し、ジィは両肘と片膝を打ってしまった。
久し振りに子供のような転び方をした気がした。
大した怪我はなかったが、用心用心。
次は今日の話である。
さすがのゆっちゅも疲れが出たのか、昨日は夕ご飯も食べずに寝てしまい、今朝のさんぽも、朝ご飯まえということもあり、ヒマなし抱っこをせがまれたが、散歩を楽しんでいた。
昼にジィの家に来て、めずらしく昼寝をしている。
起きたら、昼ご飯を食べて、サイクリングに連れて行こう。