自力で

今日のさんぽでは、両足ピョンピョン跳びが、随所で見られた。

また、ゆっちゅは、飛行体の飛行音が聞こえてくると、いつも上空を見上げて機影を探すのだが、今日ヘリコプターが真上を通過するのを見つけた時、ついバランスを崩してしまい、尻餅をついてしまった。

ゆっちゅは、バランスを崩したことが気に入らないと泣き声をあげた。

こうしたことが、近ごろよく見られる。

出来て当たり前と思っていることが、出来ないと癇癪を起こして泣き出す、抱き上げるや否や、何事もなかったかのように、ケロッとした顔する。

抱っこしたジィは、狐につままれたようなものだ。

大人から見ると、自分の不注意で失敗したのだから放っておいても良さそうなものだ。

まあ、兎にも角にも、ゆっちゅには「自分」がまだ確立できていないことは間違いない。

「自分」は、どんな風に確立されて行くのが良いのだろうか、ジィも確信を持って言うことはできない。

ただ、あまり早くから大人の論理を押し付けて、自己意識を強く持たせるのもどうかと思う。

あまりにも臆病で用心深い人間にはなってほしくないと思うからだ。

また、一方では、自分をジィと一体化してしまい、過大に自分を意識してしまわないように接しなければなるまい。

自分で出来る分だけが、自分のもっている力であることを忘れないようにしてほしいと思う。

 

一昨日、ジィが宙を舞った日だが、同じ日の、少し前に、ゆっちゅも宙を飛んだ。

ゆっちゅを走らそうと、「サァ、走ろう」と言って、バタバタバタと足を鳴らすと、ゆっちゅは走り出した。

草の丈が長く、足に絡みついたのか、バランスを崩し、ゆっちゅは前のめりに草むらに突っ伏した。

勢いがあったので、泣き出すかと思ったが、すぐに立ち上がって平然と言うか、呆然と言うか、狐につままれたような顔をしていた。

ゆっちゅとっては、初めての体感だったにちがいない。

歩き始めた頃のゆっちゅは、転んでも泣かないことがよくあった。

ゆっちゅが失敗から学ぼうとしている風だったのを、ジィは思い出した。