木の数 柱の数 電柱の数

ゆっちゅが、向こう岸に立っている木をゆび指して「キ」と言う。

ジィが「12345…10、いっぱい、いっぱい」と応える。

ゆっちゅが、自分の手を掲げて、ぎこちなくゆびを折りながら、「イチ ニ サン シ ゴ」と数える。

そしてまた、振り返って「イチニサンシゴ ハチ キュウ ジュウ、いっぱい」と叫ぶ。

今度は、土手の道沿いの電柱の数を数えたのである。

 

今日のさんぽは、新築の工事現場の見学から始まった。

二階部分の柱や梁を組み立てていた。

それを見たゆっちゅは「はしら、いっぱい」と歓声をあげていた。

それが影響したのか、道々「イチニサシゴ…ハチ キュウ ジュウ、いっぱい」を繰り返して、お経のように唱えていた。

さんぽの後半に再び、建築現場に行ったら、屋根の棟上げをしていた。

そして、さんぽの終わりに家の近くまで来たところで、電柱をゆび指して「これ」と言うので、ジィが「でんちゅう」と応えると、ゆっちゅは近くにある別の電柱をゆび指し「あっちも」さらに、すぐまた別の電柱をゆび指し「こっちも」と言った。

「あっちも、こっちも」は、「いっぱいある」というニュアンスを含んでいるように聞こえた。