慣例となったさんぽコース

この頃、さんぽ中のゆっちゅは抱っこすることが多くなった。

コースが固定していることと関係しているのだろうか。

 

まず最初に行くところは、家の近くの踏切だ。

「ふみきりにいこう」。

高台になっているので、見晴らしがいい。

抱っこから降ろすと、ゆっちゅは線路をゆび指したり線路の遠く先をゆび指し何やらしゃべる。

次に行くのは、新築中の家だ。

「おうち みにいこう」。

道すがら、建築現場が見え始めると「アシ いっぱい」「イチ ニ サン・・・ハチ キュウ ジュウ」が連発して出てくる。

そこの見学が終わると、土手の道に出る。

そこで、石を拾って遊ぶ。

遠くにジィの家の上を走る大きな橋を確認する「ハシ」。

川向こうの土手の松並み木を、指を折って数える「イチ ニ サン シ ゴ ロォク 」。

「ゆうえんちにいこう」

近くまで来たところで、下に降ろすと「クルクル」と風車を確認しただけで、また抱っこを要求する。

遊園地に来たところで、遊園地の名称を記した漢字ばかりの看板を、何度も触ってジィに読むよう催促して確認する。

しばらく遊んだところで「たんぼにいこう」と誘うと、抱っこをせがむ。

田んぼへ行くと、稲の切り株の間を真っ直ぐにに歩いて行き来する。

青ガエルを見つけると「めめこ」と一言。

 

月曜日のさんぽでは、1ヶ所に行って、次に行く所を言うと、抱っこを求めてきて行く意思を示していた。この一週間は同じコースをさんぽしているので、つぎのことが予想できたのだろうか。

耳から入ってくる言葉は、かなり理解している感じは窺える。

そういうわけで今日のさんぽは、点と線のさんぽになった。

ジィが抱っこして歩いたのが線で、点はゆっちゅが自分の意思で遊んだ場所というように、実にはっきりした形となった。

ゆっちゅの自主性を重んじる道草さんぽが、いつの間にかジィの思惑に沿ったものになってしまっていた。

ジィのチョイスを気に入っているみたいではある。