やーだー

言葉を使うときは、立ち停まるか、抱っこをする。

自分から歩きたいと思って歩いているときは、言葉を発することは少ない。

簡潔に言うと、今のゆっちゅには、そのような傾向がみられる。

同じ場所を何度か歩くと、初めは多かった言葉数も少なくなり、抱っこばかりするようになる。

いわゆるマンネリ化してしまうようだ。

そしてやがて、自分からコースを変えようとするようになる。

今までと違う、未知の世界に入る時、ゆっちゅは慎重になり、なかなかジィの抱っこから降りないが、引き返そうとすると、それは拒む。

恐れより好奇心が強くなると地に降りて、自分で歩く。

いつもの散歩コースと、時々は未知の世界へ連れ出すことが、好奇心を刺激し、すでに経験して知っているものを再認識する経験知を上げるようだ。

知識は、能動的な行動を通して、特に身につくものらしい。

また、近頃では「やーだー」という言葉を覚え、気にそぐわないと連発するようになった。

いわゆる自我形成が本格的に始動ということなのだろう。

「やーだー」を言うようになると共に、感情の表出も生き生きとしてきた。

自分のしたいことが、次第にはっきりと意識に上ってくるようになってきたのだろう。

意思表示もはっきりするようになり、行動も目的に沿ったものが目立ってきた。

そのため興味を他の方に向けようとしても、そう簡単には、こちらの思惑通りならないことも増えてきた。

しかし、好奇心が旺盛なゆっちゅは、スイッチを切り替えるのも速い。

睡眠も深く、かつ長くなってきたのも、意識活動が活発化してきたせいであろう。

活発に活動し、スタミナがあるので、ゆっちゅに付き合うのもかなり体力を要求されるようになった。

 

周囲が山に囲まれた場所にあるのだか、ゆっちゅはその山々を意識するようになり、ゆび指して数を唱えながら「いっぱい いっぱい」と言うようになって、近頃では、沢沿いに隧道をくぐって、山懐に入りたがる。

もちろん未知の世界だから、抱っこが中心になるのだが、まれに自分で歩く時は、青い空に気づいてジィに教えてくれる。

そんな時の空は、とても美しい。