「Cars」を観る。

一週間ぶりに会うゆっちゅと、「Cars」という映画のDVDを見た。

主人公がレース・カーで、登場してくるのは、すべてクルマばかりの、クルマの世界の話だ。

若い主人公が初めてのレースで活躍して、すべては自分の力であり、一人でも十分にやっていけると天狗になり、ナンバー・ワンを決める最後のレースに向かう途中、事故で名もない街に迷い込んでしまう。

そこで、いろいろな人たちと出会い、さまざまな体験を通して内面的に成長してゆく過程が描かれているビルドゥングス・ロマンと呼ばれる、いわゆる教養小説仕立てのお話になっている。

クルマ好きには、大人でもファンが多い映画だと聞く。

 

それにしても、クルマ好きだとは言えまだ2歳3ヶ月のゆっちゅが、2時間にわたる映画を一言の言葉も発せず見通したのには、驚いた。

ゆっちゅにとっては、2度目の観賞だったようだ。

映画の途中で、主人公が警報機が鳴っている踏切に突っ込んで行くシーンがあり、そこで普段のさんぽでいつも注意していることなので、「カンカン鳴ったら、踏切に入っちゃダメなんだよね」とジィが言ったとたん、ゆっちゅは緊張感が解き放たれ、堰を切ったように烈しく泣き出しなかなか泣き止まなかった。

しばらくは画面を見るのを怖がったが、それでも映画が気になるらしくテレビ画面の方をチラチラ見るので、戻って続きを最後まで見た。

その間ゆっちゅは一言もしゃべらなかった。

見ている間中、ゆっちゅを抱いていたジィは、ゆっちゅの身体が、とくに頭が熱く熱を発しているのが心配だった。

見終わってしばらくすると、おしゃべりなゆっちゅが戻ってくると、身体のほとぼりは消えて行った。

ゆっちゅは「Cars」に熱くなっていたのだ。