やめろと言われても

ダメと言われるとやらずにいられないのか、ゆっちゅはジィを困らせて喜んでいる。

ゆっちゅとアパートの前にある駐車場でサッカーをしていたとき、ゆっちゅの蹴ったボールが道路の方に転がって行くのをジィが慌てて走って取りに行ったことが面白かったようだ。

それから度々、ゆっちゅはボールを抱えて道路に向かって走り出し、前方に放り出したボールを道路に駆り出そうとキックするようになった。

その都度、ジィは走り出し阻止する。

そしてその都度その都度、危ないからやってはならないと説教するのだが、ゆっちゅに聞く耳はない。

ヘラヘラ笑ってますます図に乗って仕掛けてくる。

何度もやっているうちに、キックではジィに止められてしまうと分かると、次にゆっちゅはまるでラグビーでもするようにボールを両手で抱えて、道路の前で両手を広げて立ちふさがるジィのサイドを突破しようと右に左に進路を変えながら突進してくるようになった。