2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

子どもの世界

ユズとハルがゆっちゅの家を訪ねて遊びにくるようになった。 ユズは「おもちくん」と呼んでモチモチしたゆっちゅのほっぺがお気に入りらしい。 その日ジィが家に戻った後で、2回目の訪問があったと言う。 小3の姉のユズちゃんが「お餅君の家に遊びに行く」と…

「じぶんでやる」

近頃ゆっちゅは寝言を言うようだ。 「もう一回」と。 よほど再現可能性に執心しているようだ。 しかし、それが決して悪いというわけではない。 何しろ再現可能性は科学的な知見の土台をなすものだから、そしてその次にやって来るのは「なぜ?」という因果関…

ゆっちゅのマドンナ

ゆっちゅが最近好んでやる遊びの一つに、空気で膨らませた全長1mほどのビニール製のイルカのぬいぐるみに跨ってから、そこを飛び退いてすぐさま自分の顔を覆った水を払いのけるしぐさをするというのがある。 水族館でのイルカショーの経験を再現しているよう…

ユズとハル

小学三年の姉「ユズ」と一年の弟「ハル」という、ゆっちゅと同じアパート群の別棟に住む姉弟と遊ぶ機会があった。 高台の中腹に建つアパート群の土盛りのためのコンクリートの壁や金網のフェンス、駐輪場の屋根、各家庭で使うガスを一括管理している大きなガ…

「もう一回」

ゆっちゅはいつ頃から「もう一回」という言葉を使いはじめたのだろう。 興味を感じると「もう一回」と言って再現することを求めてくる。 その際、ゆっちゅは再現可能なものとそうでないものとの区別が不思議とできているのだ。 さらに、それがゆっちゅ自身で…

走ってダイブ

おしゃべりが止まり、身じろぎもせず、目の焦点は結ばれることなく中空にとどまったままになっているといったことが、ゆっちゅにはときどきある。 耳は外界の音を受け入れてはいるが、特定の音を聞き取ろうとしている様子ではない。 すべてが止まっていると…

アリの冬眠

文化的なものへの関心が高まるほど、自然から遠ざかる度合いが大きくなる。 それは当然のことなのであろう。 聞き分けが良くなるということは、人の世の約束ごとに順応して行くということだ。 おしゃべりを覚え、おとなのおしゃべりから世界の見方を学びとる…