2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

一枚のイチョウの葉

おもちゃ箱のなかにあったイチョウの葉っぱを摘みとって、それをジィに手渡しながら柏手を打ち腰を折って「パチパチ」と言った。 それは神様を表すゆっちゅのボディ・ランゲージなのである。 それは昨年の冬の訪れも間近な、空が青く晴れ渡った日だった。 時…

「おっしまい」

映画用語としてよく耳にするシークエンスという言葉がある。 物語上のつながりのある一連の断片のことを意味する言葉だ。 たぶんゆっちゅは「おしまい」という言葉を、新幹線のDVDを見ていて覚えたものと思われる。 食事のとき、そのDVDをよく見ていたことも…

デジタル的な知②

「あっちも」「こっちも」 車のナンバープレートのひらがなを読む習慣ができてから、「て」でも「と」でも、同じ文字のナンバープレートの車が並んでいたりすると「こっちも『て』」と、助詞の「も」を使うようになった。 また、アパートの駐車場にはたいて…

デジタル的な知①

「もしかして」と言いながら「あった」と、在ることを想定して使っているところが、ゆっちゅらしいのだが、「たしかに」「やっぱり」「まず」などの副詞系の言葉をよく使うようになった。 もちろん、ゆっちゅの周囲にいるコミュニケーションをよくとる大人た…

情緒的人間

自然は日々変化しながらも一定の状態を保ち続ける最適化の原理にしたがっているのに対し、ヒトは大脳が巨大化したために、文化という自然とは異なる特有の環境をつくりはじめた。 そしてそこでは、いつしか最大化が支配原理となっていった。 近ごろゆっちゅ…

自転車の研究

ゆっちゅが自転車の仕組みに興味を示した。 はじめはベルや変速ギアのスイッチであった。 続いてペダルをこぐジィの太ももに関心が移っていった。 その日は自転車に乗るのを拒否して土いじりをし出した。 ゆっちゅがサイクリングに使う自転車はジィの家の庭…

さんぽコース

ゆっちゅと日々生活を共にしていると、ひとが成長するには実に長い時間が過ぎ去る必要があることが実感される。 まさしく悠久の時の流れのなかで生きて、巧まず焦ることもなく自然のままに過ごしているゆっちゅの「生」にふれるからだろう。 ゆっちゅは、自…

「おなじ かたち」

ミニカーの都営バスやJRバス、消防車、乗用車などを二つ以上並べてそう言ったり、ミニカーが入っていた箱と見比べて「おなじ かたち」と言う。 後者の使い方は適切だが、前者については間違っているように思うのだが、「かたち」という言葉はゆっちゅにとっ…

砂山

原子は渦巻きの姿をしているとも考えられるという。 絡まりあって原子は分子を作り、さらに高次のつながりを持ち、あらゆる物が形づくられて行く。 また、動植物は物質が通過して行くシステムだという。 システムにおいては、構成されている一部分に情報が入…

知る

生をうけてゆっちゅが最初に感じたものは母の胎内で奏でられていたリズムであろう。 地球が自転し、昼と夜が交替する明暗のリズム、四季が織りなす色彩のリズム、自然界や人間生活の音など世界はリズムとしてひとつのものとして、ゆっちゅに語りかけてきたに…

郵便車のマークがついてる

ミニカーの郵便車にマークが付いているのを、大好きな叔母ちゃんに教えてもらったゆっちゅは、口まねで「ゆうびんしゃのマークがついてる」。 すかさず傍らにあった、ゆっちゅの大好きなごみ収集車をさして、叔母ちゃんが「清掃車のマークがついてる」と。 …

もっと高く

山に入った日、ジィのジョギングコースを走るゆっちゅの姿は印象的だった。 傾斜角30度ほどののぼり坂に向かって、手と足を交互に構え腰を落として、ジィを振り返り「よーい」の号令がかかった。 すかさず「ドン」と言って駆けだすゆっちゅの後ろからつい…

山登り

踏切を越えると、正面に隧道のひとつが見える。 「トンネル」と、その日のゆっちゅは山に入る気満々だった。 トンネルは沢に沿ってできている。 暗がりはまだ怖いのか、トンネル内は抱っこである。 トンネルを抜けて明るい場所に出ると、地面に降り立って枯…

「よーい ドン」

駆けっこのフォームが進化した。 地面に着いたときの片脚で立っている時間が延び、その分宙に浮いた方の足の滞空時間も延びて前方に弧を描いて踏み出して走るようになった。 そのせいか、ゆっちゅは走るのがますます楽しくなったと見えて、突然走り出すこと…

「行ってみようか」

「行ってみよう」「やってみよう」「開けてみよう」 今「・・・してみよう」がゆっちゅのブームになっている。 ミニカーの入っていた箱を手にとって、「開けてみよう」とか、その箱に入っていたミニカーをもって、「なかに入れてみよう」とかやっている。 自…

ワイルドライフ

小春日和で風もなく、前日の強風と雨のせいで「帽子山」は透明感抜群だった。 玄関を出て、帽子山を見るとすかさずゆっちゅが「ぼうしやま きれい」と反応した。 さんぽコースは、いつもと違って川に出る道を指示してきた。 土手道をしばらく進むと、逡巡し…

電気と水とガス

電気とガスと水に、ゆっちゅは関心を持っている。 近ごろ乾電池の中に電気があることがわかるようになった。 電柱から電線、そして夜の街灯の点灯が、電気によるものらしいと、ゆっちゅが想いはじめたのは、暗くなって街灯や家々に電灯の光りが灯るのを見て…

魔法の世界

二歳3ヶ月になったゆっちゅは、遊びのなかで寝転ぶことが目立ってきた。 階段の登り降りや荒れ地での歩行を見ていると、片脚で上半身のバランスを取るのが上手くなってきた。 プラレールやミニカーを、伏せって見ることで臨場感を味わうようになってから、…

「重た〜い」

じつは、さんぽに限らずゆっちゅを抱っこするのは、それほど苦痛ではない。 耳もとで言葉を交わすことができるからだ。 言葉がなくても、ゆっちゅが目をキラキラさせいるのを間近で見るのは楽しい。 広い意味で考えれば、それもコミュニケーションと言えると…

新年初さんぽ

ゆっちゅとの初さんぽは、3時間に及んだ。 その間、抱っこしたのは、暗渠にかかる鉄格子の端につまづいて転び泣いたときに少しだけで、あとはひとりで歩いた。 ジィが帰省していた間、ママと3時間さんぽして、自分で歩くよう厳しく指導されたようだ。 久し…

「Cars」を観る。

一週間ぶりに会うゆっちゅと、「Cars」という映画のDVDを見た。 主人公がレース・カーで、登場してくるのは、すべてクルマばかりの、クルマの世界の話だ。 若い主人公が初めてのレースで活躍して、すべては自分の力であり、一人でも十分にやっていけると天狗…