電気と水とガス

電気とガスと水に、ゆっちゅは関心を持っている。

近ごろ乾電池の中に電気があることがわかるようになった。

電柱から電線、そして夜の街灯の点灯が、電気によるものらしいと、ゆっちゅが想いはじめたのは、暗くなって街灯や家々に電灯の光りが灯るのを見て「でんき ついた」と言い出したころからだ。

日中のさんぽと夜間の帰り道に繰り返し確認した、街灯と電線や電柱の関係、懐中電灯や電気スタンドのスイッチでの点滅操作などを経て、乾電池と電気が理解できるようになってきたようだ。

それが分かってからは、クレヨンの代わりに単四電池でものを描く遊びが止んだ。

 

先日雨上がりにさんぽしていて、あちこちに水たまりができていて、ゆっちゅが水遊びをしないか心配したが、「水に入らないように歩こうね」と声をかけたら、上手に水たまりを迂回して歩いた。

それまでは、水を見るとその性質を知ろうとしてか、必ず手で触ったり足で踏んだりしていたのに、迂回するのが当たり前のように聞き分けが良かった。

その日は、午前中に降った雨でごんごん流れる川を横目で見ながら水たまりを避けて歩いた。

日常ゆっちゅの水に関する興味は、雨、洗濯機の中で動き回る水、水泳教室のプールの水、お風呂の水などだが、10月の雨台風がお気に入りのさんぽコースに残した爪あとは少なからずゆっちゅに影響を与えたように思われる。

 

ガスについては、久しい以前からばぁばが調理をする台所に行ってガスの炎を見ては、「アッチッチ」と言って火に対して興味を示していた。

あるとき、さんぽしていてガスボンベを積んだトラックが通りかかり、ボンベがぶつかり合ってカンカン音を立てているのを気にしていたゆっちゅに、「あの中にガスが入っていて、ジィの家にもあのボンベがあってガスを燃やして、ばぁばがお料理してるんだよ」と説明してやったことがあった。

ガスの火も、電気の光が乾電池のなかに入っているように、ボンベのなかに入っていると思って納得したのだろうか。

そう言えば近ごろ盛んに「なかに はいっている」と言って、ものが中に入ることに関心を示すようになった。

 

ジィはゆっちゅが水とガスと電気に関心を向けるたびに、「水とガスと電気は、とても大事なんだ」と囁きかけている。

ゆっちゅには水と電気とガスの扱いが上手になってほしい。