学ぶはマネブ

ゆっちゅが離乳食を食べ始めたころ、歯みがきをさせようとしても、なかなかしようとしませんでした。

無理強いしても良いことはあるまいと思い、しばらく放置しておきました。

ひとり歩きするようになって、家の中をあっちこっち歩き回るようになったころ、ジィが歯みがきしているところにやってきて、じっと見るので、ゆっちゅに歯ブラシを持たせてみたところ、おもむろに口を開けて歯を磨くまねをし出しました。

おお、これがミラー・ニューロンの働きというものか、とジィは感動しました。

それは、自分がある行為を「する」ときと、相手が同じ行為をするのを「見る」ときに、同じように活動する神経細胞があるらしい。大脳皮質の運動性言語野であるブローカ領野にあるという。

 

河川敷をさんぽしていると、ゆっちゅはヨシズの茎や木の切れ端など棒状のものを見つけると、必ずといっていいほど手にとります。

あるとき、ジィが河川敷の土がむき出しているところで、木の切れ端で字を書いて見せると、ゆっちゅも地面に何やら描き始め、ジィに笑いかけたのを思い出しました。

今では看板を見つけると、ゆびを指して「ジ、ジ」と言うようになりました。

一歳になって間もない冬の寒い時期に蒸気で曇ったガラス戸に、指でゆっちゅの名前をひらがなで書いて見せたり、「へのへのもへじ~」と描いて見せていたことなども思い出しました。