自己性の夜明け

神経細胞をかけめぐる信号はデジタル性でリズム的性質をもち、外界の昼夜の日リズムや寒暖などの年リズムをはじめとして、さまざまなリズムが共振する場面に触発されて意識と言語は手を携えて発生するとかんがえられる。

「三つ子の魂」に言語の形成が大きな役割をもつことは当然かんがえられるべきである。

外界からの刺激が諸感覚器官を通じて脳へと送られてくる信号、そして身体内部からの刺激が神経細胞を通して求心的に脳へと送られてくる信号と、反対に脳から運動神経を介して身体各所に遠心的に送られる信号が、相互に大脳皮質のなかで行き交いながら共鳴し共振しあって、ある種のリズム的な場面において、まずは音韻や韻律として音声言語が定着すると意識が生まれ、やがて手を携えて個々の特徴をもって自己性の回路をつくりあげてゆく。

自己性の回路は、一人ひとりが何をどのように意識し生涯にわたって個体として成長し完成するプロセスを起動する基本的なパターンのことである。