ゆっちゅはピカソ

クレヨンでくるくる丸い線を描くのが、今のゆっちゅのマイ・ブームみたいだ。

「クルクル、クルクル」「シークルクル」「アッシークルクル」ゆっちゅの今お気に入りの言葉を唱えながら。

興が乗ると、紙の外へ越境する。

その前に、こちらの反応を予期しているかのように、目配せして、にっと笑みを浮かべる、ニクい表情を見せる。

「だめだよ」と言うと、以前は泣いて身体を上下に動かし抗議していたが、近ごろは、「へへっ」と笑って、強行突破して、床やふすまや、扉、ガラス戸に青と水色のクレヨンで「クルクル、クルクル」とやり始める。

こちらの反応を予期し、期待通りに反応していることを、明らかに喜んでいる。

これまで、風ぐるまや電線を螺旋状に巻いている線など対象物の動きを表現していた「クルクル」という言葉が、自分で螺旋状の線を描く時にも使い始めたみたいだ。

ゆっちゅは、力強い線を描く。

 

《ゆっちゅ、昨日・今日》

時折、小雨が降る中、小一時間さんぽする。

電柱の「アシ」確認と、階段を自力で上り下りをし、きゅうりの実といちごの実は自分で確認した。とくにきゅうりの茎が生え出している根元を興味ありげにのぞき込んでいた。青々とした柿の実、みかんの実、いちじくの実を示して見せたが、それには興味が湧かなかったようだ。

水が戻った田んぼにオタマジャクシの姿はなかった。小さな青蛙が一匹いたので、取って見せたが、元気よく跳ぶので、手を出さなかった。