ボディ・ランゲージ
近ごろは30分もかからないで、自分の足で1kmの道のりをほぼ走りきるほどになった。
しかも、ゆっちゅが好む道は、古くからある道で随所に道祖神が祀られていて、道幅も狭く両側に家々が立ち並んでいる。
その道は山すそを横切るようにつけられていて、昔から人々が歩いて行き来したものらしく、軽いのぼり下りがあるものの人に優しい道である。
そんな道を、通勤通学の時間帯が過ぎた昼ごろ、車が来ないのを見計らって「よーい ドン」のかけ声とともに走るゆっちゅ、時おり「おっとっとっと」と言ってよろけて座り込んで見せたり、ジグザグに蛇行して走ったりして楽しそうだ。
因みに、「おっとっとっと」と言ってわざと転んで、それに続いて、酔っぱらって足元がおぼつかないように装って見せるのは、以前にパパがゆっちゅを抱っこして家に帰るときにジィの家の下水管の突起につまずいて転んだことと関係ありそうだ。
ゆっちゅなりに身体を使って何かを表現していると思われる。
もしかすると、そのポーズを見せるのは、ゆっちゅが以前につまづいて転倒した場所だとすると、「じぶんはここで、以前転んだことがあったよね」とボディ・ランゲージでコミュニケーションしていると考えられる。
そして、笑いは、「でも、今のボクは転んだりしないよ」という自信の現れなのかもしれない。
確かに、ゆっちゅの最近の走り方や歩き方には安定感が見られるようになってきたのだ。
ゆっちゅがボディ・ランゲージをしているとすれば、彼の頭の中に何らかのイメージがあり、
そのイメージに似せて自らの身体を動かしていると考えることができそうだ。