我を張る
昨日のゆっちゅは、情緒が不安定な1日だった。
その一方で、身体の操作では新たな動きを見せた。
いっしょに風呂に入っていたときに、湯船の縁につかまって立ち、片方の脚を振り上げては振り下ろして、足で湯面をたたく動作を繰り返して、得意げだった。
子供向けのテレビ番組の「ピタゴラスイッチ」の中に出てくる『ねじねじの歌』というのがある。
金網を編む機械の映像に合わせて歌われる歌で、「ねじねじねじねじ左行け。ねじねじねじねじ右へ行け。・・・・」というものだ。
それを見ていたゆっちゅが、それに合わせて上半身を右へ左へと交互にひねって踊りだした。
そういえば、最近あぐら座りをするようにもなり、四股を踏んで見せたら、立派に四股を踏んだ。
「ゆっちゅの手っては?ゆっちゅのあんよは?」と問いかけると、初めはじぶんの手だけだったが、今ではじぶんの足も、ゆび指して示すようになった。
手足が自由に使えるようになるにしたがって、自分との関係で物事を理解するという意味での「我を張る」ネットワークも広がり、「わがまま」を通そうとする力も強くなってきた。
ゆっちゅはがんばっているんだ、とジィは思う。
ちょっとでも自分の思うようにならないと、暗雲が立ち、泣いてあばれる、物にあたる、人をたたく。
が、じぶんの思い通りに行ったときは、雲の間から顔を出すお陽さまのような笑みがこぼれる。
ゆっちゅがこの世界にやってきてから、地球はまだ太陽の周りをふた回りしたにすぎない。